鬱病に対する理解を深める|早期治療による早期改善

医師と患者

自殺念慮の段階について

医師とナース

鬱病を患った際に現れる心的症状の一つである「自殺念慮」というのは、「自殺したい」という考えに囚われてしまう心理状態のことを指します。鬱病患者の自殺は、この症状が原因だと言えるでしょう。ここでは、自殺念慮における症状の段階について説明していきます。鬱病による自殺念慮の第一段階では、無価値感が現れます。無価値感というのは、自身を価値の無い存在だと感じる感覚を指し、この段階では薄っすらと死について考えるようになるのです。症状が悪化し、第二段階に至ると、希死念慮と呼ばれる状態に陥ります。希死念慮は自殺念慮と異なり、自分から死ぬのではなく、事故等による受動的な死を望むようになるでしょう。ただ、鬱病患者の多くは、自殺念慮における第一段階及び第二段階において、自身が死にたいと考えていることを殆ど公言しようとしません。そのため、周囲に心理状態が気づかれず、症状が悪化していくのです。

自殺念慮の症状が悪化して第三段階に至ると、自殺を匂わせる素振りを見せるようになります。この段階では、自殺に関する具体的な方法を考えるようになっており、この段階で周囲が気づくかどうかが重要なポイントとなります。鬱病患者における自殺念慮の最終段階は、「自殺企図」と呼ばれています。自殺企図というのは、第三段階で考えた自殺に関する具体的な方法を試みようする段階のことです。この段階まで周囲が鬱病を患っている方の精神状態に気づくことができなければ、重体に陥ってしまうか、最悪の場合として死亡するというケースに至ります。そういった事態を避けるためにも、様子がおかしいと感じる人がいれば、注意して見守ることが大切になるのです。もし、既に鬱病治療を開始している状態で自殺念慮の症状がみられるのであれば、家族の方がしっかりとサポートして挙げましょう。しかし、サポート時には注意すべき点が一つあります。それは、自殺念慮の症状が良くなった時です。自殺念慮の症状が良くなった時というのは、鬱病の症状が重症化した段階である可能性が高いため、より注意する必要があります。